洗濯物の汚れを落とすのに『お酢』が効果があると、ネット上には情報が溢れています。
確かに『少量のお酢』を使って、洗濯物の汚れを落とすには効果的ですが、洗濯物の汚れが落ちるなら『洗濯機の汚れも落ちる』と勘違いしてしまう人も少なくありません。
今回は洗濯槽を『お酢』で洗浄しても効果が無い!
また、洗濯物の汚れを落とす際の『お酢』の使い方などを紹介していきます。
お酢を洗濯槽の中に入れても効果ナシ!
洗濯槽の汚れ落としに『お酢』が効果的と「ウソ情報」がいっぱい!
- お酢がカビ対策や洗浄効果も期待できる
- お酢は酸性の液体なので、アルカリ性の石鹸カスや水垢が落とせる。
- 洗濯機の中はアルカリ性がほとんどなので、お酢はとても効果的。 など
いろんな情報がネット上には掲載されていますが、『お酢』で洗濯槽を洗浄などすると、洗濯機自体の寿命を縮めてしまいます。
『お酢』は酸性である為、石鹸カスを溶かしたり、アルカリ性の尿のニオイを中和したりする働きは確実にあります。
しかし、『お酢』にはへばりついたカビを除去する力は持っていませんし、雑菌やカビの繁殖の原因にもなりかねません。
「洗濯槽の掃除には糖分を含まない穀物酢を使う」とありますが、「穀物酢」には「アミノ酸」「タンパク質」「炭水化物」の成分が含まれていて、洗濯槽内にある細菌やカビの栄養源になってしまいます。
一般社団法人日本電機工業会では、「お酢は洗濯機内部の金属部品を傷め、危険」と『お酢』を使用しないように謳っています。
洗濯に使える「お酢の種類」と「3つの効果」
洗濯機に『お酢』を使用してはいけないと言いましたが、洗濯物の汚れを落とすには『お酢』は効果がありますので、間違った方法ではなく、正しく使用していきましょう。
使うお酢は「穀物酢」
洗濯物の汚れを落とす為に効果があるのは『穀物酢』です。
すし酢、りんご酢、黒酢のような『酢』ならば何でも良いという訳ではありませんので注意してください。
「穀物酢」には効果的な3つの効果があります。
- 剥離効果・・・洋服の繊維に染み込んだ汚れを溶かし、汚れを芯から剥がす。
- 抗菌効果・・・雑菌の増殖を防ぐ。
- 消臭効果・・・アルカリ性のニオイ(タバコ・アンモニア)を消す。
では、それぞれ見ていきましょう。
お酢の効果『剥離』
『お酢』には「剥離効果」があり、洗濯物をふっくら仕上げてくれます。
洗濯物がゴワゴワする原因として洗濯用洗剤に含まれる、アルカリ性の成分が洋服に残っているからなのですが、『お酢』は酸性の性質を持っていますので、アルカリ性の成分を中和してほぐしてくれる為、洗濯物をふっくら仕上げてくれます。
お酢の効果『抗菌』『消臭』
『お酢』の抗菌効果はすでに科学的にも実証済みでサルモネラ菌などの食中毒の原因菌から多くの菌を殺菌・抗菌する事が可能です。
優れた抗菌力によって、「菌」の繁殖を抑えることが出来ます。
結果、洗濯物の嫌な臭いの原因である「菌」を抑え、消臭する事が可能となります。
正しいお酢の洗濯方法を紹介!
連続投稿・9(最後) 最後のススギ時に お酢 を投入。 おちょこ1〜2杯分くらい。 洗濯槽への石けんカスの沈着軽減 と 洗濯物に残る石けん臭の軽減 が狙い。 pic.twitter.com/c7RW4BXO2b
— 炭酸ソーダ@粉石けん (@tansansouda) September 10, 2013
先程から『お酢』は正しく使用しましょうと言っていますが、ここからは各項目別に正しい『お酢』の洗濯方法を紹介していきます。
洋服の黄ばみ防止
洋服の黄ばみで気になるのが、シーズンオフで直してしまった洋服を次に着ようとした時、『黄ばみ』が出来てたなんてことがあります。
クローゼットに収納する前、最後に洗濯する際に「すすぎの仕上げ」として使用する事で、黄ばみを防ぐことができます。
コーヒーのシミ汚れ
洋服にコーヒーなどのシミ汚れがついた際の「しみ抜き」手順を紹介します。
- 『穀物酢』を水で2倍に薄め、タオルに染み込ませて「シミ部分」を叩くイメージで拭いていきます。
- シミが取れたら、中性洗剤で薄めた水で「シミ部分」を洗う。
- しっかり「すすぐ」。変色の可能性もある為、「すすぎ」は念入りにおこなって下さい。
デニムの色落ち防止にも!
続いて色落ちしやすいジーンズやデニムなどの洗濯方法を紹介します。
- バケツや洗面器にジーンズを入れ、水に浸します。
- 大さじ1杯の『穀物酢』と『塩』を入れ、30分~1時間浸けておきます。
- その後、洗濯機で普通に洗濯します。
これだけでジーンズ特有のゴワゴワ感が軽減されます。
知っていても無駄な知識!やってはいけない!
お酢の柔軟剤…?
洗濯物が乾くとお酢の匂いはなくなり、残るのは良い香り。そしてタオルはいつもよりふんわり。洗濯機の中もなんだかスッキリして良い匂い。
お酢で洗うって、実は良いことだらけだったのです〇#KOZLIFE #osmia #フィンランド #北欧 #ランドリービネガーhttps://t.co/ra0ctmDjbk pic.twitter.com/WatFBZC5pg— KOZLIFE (@kozlife) March 27, 2022
『お酢』と言っても、全ての物に混ぜてOKという訳ではありません。
当然のように「相性」がありますので、知らずに混ぜてしまうと、「命の危険」に直面する事もありますので、洗濯に『お酢』を使用する時は、十分注意してからにしてください。
お酢と塩素系漂白剤は混ぜてはいけない!
「ハイタ―」「ワイドハイタ―」などの『塩素系漂白剤』とお酢を混ぜてはいけません。
「塩素系」とお酢の「酸」を混ぜてしまうと、『塩素ガス』を発生させてしまいます。
『お酢』を使って洗濯した洗濯物が乾燥した後に、「塩素系漂白剤」を使用する分はもんだいありませんが、洗濯槽の水の中で『お酢』と「塩素系漂白剤」を同時に投入するのは、絶対にやめましょう。
ちなみに『酵素系漂白剤』は『お酢』と一緒に使用しても問題ありませんので、今使用している漂白剤が、「塩素系」か「酵素系」か確認してから使用して下さい。
お酢が洗濯の効果を上げる?間違った知識で洗濯機の寿命が縮む!まとめ
- 『お酢』は洗濯機の掃除には効果ナシ!故障の原因となります。
- 『お酢』には「剥離」「抗菌」「消臭」効果があります。
- 洋服のシミ取りに使う『お酢』は「穀物酢」を使う。
- 『お酢』を「塩素系漂白剤」と一緒に使用してはいけません。